約20年前に鮎釣りを始めた頃、有田川の二川ダム下流では、アベレージサイズが15~28cmでした。
ところが、内水面和歌山の釣果情報を見ていると、鮎の大きさは通年で10~23cm、1日に釣れる数も40~50匹と異常に多くなっています。
つい最近までは、単純に、天然遡上が多いにも関わらず、毎年のように漁協がたくさん放流するので、鮎自体が増えすぎて1匹当たりの餌となる珪藻量が少なくなったかな?
と思っていたけど、どうやら事態は深刻です。
ボクが思うに、地球温暖化の影響で、鮎が小型化しているというのが一番に考えられること・・・
例えば、リュウキュウアユという沖縄の固有種は、1970年代に絶滅した今、沖縄の福地ダム上流部で、ダムを海代わりにして自然繁殖する陸封型のものが残っているけど、成魚でも10~15cmくらいまでしか育たない。
奄美大島の河川でも、激減しながらもリュウキュウアユは残っていて、福地ダムで繁殖している種のルーツは奄美大島産のようです。
二川ダムの上流では、陸封型の鮎が自然繁殖していて、こちらは今でも15~25cm位の大きな鮎が釣れています。
高緯度地方や山間部に生息する鮎は、10月を過ぎれば婚姻色が現れて、川を下り産卵が始まるのかな?
でも、低地での水温が高い環境では、季節が変わっても温度が下がらないので、いつまで経っても産卵期が訪れないし、稚魚の成育期間もその分短くなります。
一年で一生を終えるという、他の魚にはない鮎のライフサイクルでは、産卵時期のちょっとした違いが、水中の石についた珪藻を食べるため、縄張りを持てるかどうかに関わってくるし、その後の成長スピードにも大きな影響を与えるのでしょう。
おまけに、10月を過ぎると日照が弱まって、珪藻自体の増殖が減ってくるし・・・
友釣りをしていると、夏場の最盛期でも10cm程しかないビリ鮎が、時々掛かってきた覚えがあります。でも、今の和歌山県中部から南部の河川は、ビリ鮎だらけと言っても過言ではないかもね?
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