01 LEGEND OF FUTURE
song:Geoffrey Westley/arrange:Geoffrey Westley
オーヴァーチュア-未来への音の幕開け。ハリウッドミュージカルとR&Rは、なんか香りがある。作曲の人にはヴァイオリンから入ってと頼んだ。
これを録音した時は、鳥肌もんでしたよ。アビーロードスタジオにオーケストラのおじいちゃん、おばあちゃんがゾロゾロ集まってきて、最初誰もいなかったスタジオの椅子がパーっと埋まって、俺は気をきかせてもらって、その真ん中に座らせてもらって聴いたの。なんか体がブルブル震えちゃって、この曲が俺のレコードに入るのか、この曲で始まるのかって興奮したよ。
気持ちいいよね、最高。シャンパンの泡の中にいるようで気持ち良くて。レコーディングは全部録り終わった後、"A DAY IN AUTUMN"と一緒に最後に録った。
02 C'MON EVERYBODY
song & words:Eddie Cochran,Jerry Capehart/arrange:Tomoyasu Hotei
勢い良く飛び出すナンバーが欲しかった。家でいろいろレコード引っ張りだして聴いていたら、この曲だよって感じで。カヴァーだけど他の人の曲をカヴァーすることは全く気にしてなかった。この曲をトップにしてオーヴァーチュアをつけた。デモテープもこの曲が一番最初で、プログラマーの藤井(丈司)さんに紹介してもらった。そしたら「この曲をうあるのは俺しかいない」って言われて始まった。
個人的にはSIGU SIGU SPUTNIKに傾倒していた時期で、この曲は影響を受けてる。そういう時代の断片みたいなものは素直に入れておこうっていつも思ってる。自分の中で新しいものを作っていこうという意識はあまりない。新しいものを作るのは18,19歳のやつだから。俺らみたいに、いろいろなことわかって構築した上で考えたものって、新しくは無いからね。あの時は、自分の中でジグジグが新鮮だった。
03 GLORIOUS DAYS
song:Tomoyasu Hotei/arrange:Tomoyasu Hotei/words:Herbie Yamaguchi,Lenny Zakatek
このアルバムの中でも、かなりのポップチューン。こういう曲が5,6曲あったんだけど、BOØWYっぽかったりするとワンワンとか久美ちゃんから「自分をコピーしたらおしまいよ」とか「いいけどBOØWYみたいだからやっちゃダメ」っていう戒めがあった。そう言われるとそうだよねって軽く捨てていたけど捨て切れない自分のメロディがあったりして。
当時、現実の中に悪夢があるという感じがあって、逃避行的に現実を現実から遠ざけて非現実的な夢物語的な感じがGUITARHYTHMのアルバムの他の曲にもいえて。この曲は、通りすぎたあの良かった頃をロマンティックに歌いたかった。
04 MATERIALS
song:Tomoyasu Hotei/arrange:Tomoyasu Hotei/words:Herbie Yamaguchi,Lenny Zakatek
全体的には曲が先に出来ていて、後でイメージを伝えて詩をつけてもらった。詩に関してはハービーさんの色が濃い。問題喚起みたいなものだよね。
サウンドはドイツっぽい感じ。サウンドは、プログラマーの藤井さん、キーボードのホッピー神山、エンジニアのマイケル・ツィマリングにそれぞれ任せている部分がかなりある。俺は人とやる時、イメージはしっかり自分の中に持っているけれども、人がやったことで面白いことがあったら「最高!」って言えるタイプだから。俺が作るのはベーシックな曲のイメージだよね。この曲がちょっとダークで怖い。こういう曲を挟むことでロマンティックなものはよりロマンティックに聞こえるだろうし、そうじゃない曲はそうじゃなく聞こえるだろうし、その辺はプロデューサー気質が出るんだろうね。
05 DANCING WITH THE MOONLIGHT
song:Tomoyasu Hotei/arrange:Tomoyasu Hotei/words:Herbie Yamaguchi,Lenny Zakatek
こういう曲を書いている自分っていうのは、すごい素直。「YOU」や久美ちゃんに書い「TONIGHT」とか、BOØWYの「季節が君だけを変える」とかCOMPLEXの「BE MY BABY」とか、ストレートにメロディを作るとこういう曲になっちゃう。人によっては無理してポップにしようと思って作るんだろうけど、俺の一番正直なところって、結構こういうメロディかもよ。
この曲でイギリス・デビューしたわけですよ。プロモーションでロンドンに行って、キングスロードにポスター貼られてるの見て興奮して、ここから始まれるんだと思った。そしたら、すぐ廃盤になっちゃって。
日本で売れたからってどうということはないし、どっちかっていうと素直に一から始めて、パーティにはいろんな人が来てくれて夢心地。本当に夢がかなうかもしれないって思ってた。でも結局は思い通りいかなくて悔しくて。日本に帰ってきたらアルバムは何十万枚と売れていた。俺はそういう日本のファンを無視してイギリスのこと考えてたわけだから、悲しくて、すごく悪いことしたなという気がしたね。その反動が「GUITARHYTHM II」だと思う。忘れられない曲だね。
06 WIND BLOWS INSIDE OF EYES
song & arrange:Hoppy Kamiyama,Tomoyasu Hotei,Takeshi Fujii/words:Tomoyasu Hotei
悪夢を歌った曲。悪夢といっても俺は本気で思って詩を書いている。自分で詩を書くときは全部そうだけど。本当にそういう夢を見たってことだから、それでいいっていつも思ってる。今に伝わるものなんて、伝えようと思ったから伝わるんじゃなくて、いかにそれがリアルか、その人の音楽の中でリアルにあるかっていうことが伝われば、音楽と聞き手の関係は成り立つ。それを信じてる。凝似体験を与えるような音楽は絶対にやりたくない。
07 WAITING FOR YOU
song:Tomoyasu Hotei/arrange:Tomoyasu Hotei/words:Herbie Yamaguchi,Lenny Zakatek
ギターから出来た曲。このギターだけは本当に俺だけのタイミング。絶対俺のギターじゃないとイントロが始まらないというくらいの自負がある。ま、どの曲にしてもそうじゃなきゃギタリストとして悲しいよね。
誰でも弾けそうで弾けない、弾きたくなるような衝動が伝わって、でも実は弾けないっていうギタリストが好き。だからBOØWYのコピーバンドはいっぱいいるんだろうけど、一回聴いてみたいと思う。俺のコピーにしても全然違うんだろうな。きっと背が高いからギターとかって言われちゃったりとか(笑)
08 STRANGE VOICE
song:Tomoyasu Hotei/arrange:Tomoyasu Hotei/words:HerbieYamaguchi,LennyZakatek
また怖い曲。ロマンティックな曲と怖い曲がうまく配列されてますね。素晴らしいアルバム(笑)
オペラの人に歌ってもらって、マイクから離れているのにレベルが落ちない。とにかくロンドンでいろんな人に会って、ギター弾きとかはいつもでセッションできるけど、シンガーの連中とセッション始めると本当にKOされちゃうよね。彼らは歌いたいっていう衝動から歌う。そのときに歌いたいことを歌う。だからセッションが成り立つ。日本じゃヴォーカリストのセッションはやれないもんね。バンドのセッションはじまるとボーッとしててさ。「ミュージシャンの連中はいいよな」とか言って。あれ悲しいよね。あれじゃ絶対通用しない。どこでも音楽流れたら歌いたいっていう気持ちがないとね。その時、産まれる詞がなかったら悲しすぎる。
09 CLIMB
song:Tomoyasu Hotei/arrange:Tomoyasu Hotei/words:Herbie Yamaguchi,LennyZakatek
これは代々木のスタジオで作った曲。ヘヴィーなリズムをやりたいなと思った。だけど、俺がやるとヘヴィーじゃなくなっちゃう。ギターはどう解釈してもヘヴィーな方に行かない。俺のリズムってコンピューターにあってるんだよね。
それから音色もあんまりひずんでるのは好きじゃない。エッジが立っていないと嫌い。弾いたときにピキッていわないとね。もやっとした音はそれだけで気持ち悪い。
ギターは自分で模様を書いた”布袋モデルギター”。アミダクジって呼ばれてた模様が入ってて、これは酔っ払って部屋で書いた。花田(裕之)くんとセッションやる時は、いろんなギター引っ張り出してくるんだけど、自分のアルバムとなるとやっぱりこのギターを使っちゃう。自分らしい音なだろうね、自分にとっては。
10 GUITARHYTHM
song:Tomoyasu Hotei/arrange:Tomoyasu Hotei/words:Herbie Yamaguchi,Lenny Zakatek
アルバムのタイトルチューン。自分の中にあるFUNKな部分が出てる。FUNK MUSICはずっと好きで聴いていたし。アイズレー・ブラザーズとかスライ&ファミリーストーンとか。でも、どうしてもヘヴィーにならない。俺がやるとビシバシっていうかしゃっきりしちゃう。結局コンピューターとやるということでそうなる予感はあったけど。
デモの段階からギタリズムは止まらないっていうフレーズがあって、自分の中でもGUITARHYTHMはIだけじゃ終わらないって決めてて、IIはこの曲から始めたいと思っていた。ギターソロが凄く気に入ってる。マーク・ボランとレイ・パーカーJrが混ざったようなギタリストになりたかったし、そういうギタリストになれたような感じがするんだよね。
時代と音楽だけが生む、その時だけの輝きってあるでしょ。それを感じながら自分はギターを弾いてきたし。そういう憧れが感じられないと寂しいよね。
11 A DAY IN AUTUMN
song:TomoyasuHotei,GeoffreyWestley/arranhe:GeoffreyWestley/words:HerbieYamaguchi
アビーロードスタジオの第2スタジオにピアノが置いてある。ポール・マッカトニーやジョン・レノンが触ったピアノだよね。由緒あるスタジオで、ビートルズ、ジミ・ヘンドリックス、ピンク・フロイドがやってる。そのスタジオには、そういうオーラがあった。そこだけ改装してなくて、古いまんまで。そこにいると、そういう精霊みたいな魂みたいなものがすごく染み込んでくる感じがして、このピアノで1曲書きたいと思った。で、書いて、オーケストラのあレンジを頼んだ。
そのオーケストラ・ヴァジョンって本当は8分くらいあったんだけど、ラストに8分は長かったんで短くしてもらった。今から思うと、8分ヴァージョンも聴いてみたいよね。ちゃんととっておけば良かった。
栃木に住んでいた頃、スキーへ行く車の中で聞いたのが、布袋寅泰のラストシーン・・・
その後、一通りアルバムを買い揃えたけど、一番のRHYTHMは、これなんだよな(^^)
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